低血糖症治療の専門クリニックを受診するとなると、高額な検査を受けたり、栄養サプリメントを購入したりと何かとお金がかかります。
私は当時、若くて貯蓄もなかったので、治療費をどうやりくりすれば良いか悩みました。
実は最初の1年間は治療代に自分のお金はほとんど使いませんでした。
というのも、傷病手当金という健康保険サービスを利用したからです。
傷病手当金というのは、被保険者が病気やケガで休んでいるときや、療養のための労務不能である場合に、支給されることになった日から最長1年6ヵ月間一定のお金がいただけるもの。
体調が悪くなる前に継続して1年間その会社に健康保険を払っていた人のみ支給される権利です。
もらえる金額としては、休業1日につき標準報酬日額の2/3相当額。
例えば1日9000円稼いでいる人であれば、1日6000円支給されるイメージです。
傷病手当金をもらう条件としては、現在進行形で企業に属している人または退職後に任意継続被保険者になっている人かどうかが最低条件です。
どうしても具合が悪くなって会社に行けず療養の必要がある人のみ適応となります。
正社員に限らず、派遣、パート、アルバイトなどの非正規でも企業の健康保険を払っていれば、傷病手当金が適用される可能性があります。
可能性と述べたのは、属している企業の健康保険担当者の裁量によって手当金が下りるか下りないかが変わってくるから。
審査もあります。
私が入っていた健保の審査内容を引用します。
審査
- 書類を提出していただいた後に、健保で審査を行います。
- 審査の内容によって、追加で書類を提出していただく場合があります。
- 審査の結果、不支給となる場合もあります。
下記の4つの条件すべてに該当しているときに請求できます。
- 医師の指示により病気・けがのための療養
- 病気やけがの療養のために今まで行っていた仕事につけない
- 続けて3日以上休んでいる
- ※続けて休んだ場合の4日目から支給されます。
- ※初めの3日間は「待期期間」といい、支給されません。
- 給料等をもらえない
- ※給料等をもらっても、その額が傷病手当金より少ないときは差額が支給されます。
- ※書類を提出していただいた後に、健保で審査を行います。審査の状況によって、追加で書類を提出していただく場合があります。
当時は低血糖症という治療名はあまり知られていないため、審査時には健保の人に、「本当にそんな病気あるの?うつ病など違う病気の可能性はない?」というニュアンスを言われました。
無事審査がおりて傷病手当金がおりたのですが、この手続きが結構大変で、1ヵ月に1回、医師に診断所見を書いてもらう必要があり、そこに自分の現在の体調や体調改善のために日々どう過ごしているかを記入して、健保に送付します。
つまり、働ける状態か否かを書くわけです。
働けたら、手当金はおりませんからね。
私は治療初期はめまいや吐き気など具合が悪すぎて長時間働けない状態だったため、1年くらい療養しながら申請用紙を提出し続け、検査代やサプリメント代などをそれで全て捻出しました。
そのおかげで1年くらいお金の心配をすることなく、1ヵ月に1回病院に通い、治療に専念することができました。
1年治療して、「働きたい!」と思えるほどの元気がでてきて医師からも働いてOKのサインがでたので、自分から早々と手当金を打ち切ったというわけです。
治療後1年くらいで動けるようになったのは、仕事もせずにずーっと1日中寝てられて(おかげで、副腎が休められました)、お金の心配をする必要がなかったからなのかもって今思いました。
ストレスが1番よくありませんから・・・。
低血糖症の病態に似ているうつ病の人は、休職しても抗うつ剤を飲んで寝るだけなのでなかなか復職できないと聞きますが、私は栄養サプリメントを飲んだり栄養メニューの改善に取り組んで、だいぶ元気になれたのでそういう意味では栄養療法に出会えてラッキーでした。
使える権利は主張しよう
傷病手当金などの使えるサービスは恥ずかしがらずに使いましょう。
真面目にこれまで高い健康保険を払ってきて、体調が悪くなって会社に行けないという人は利用した方がお得だと思います。そのために、保険はあるんです。
体調が悪くなる→会社に行けなくなる→そのまま退職の前に、1年半猶予をもらうのも悪くないです。
属している健保によって審査が下りるかどうか変わってきたり、医師の診断名によっては下りないことも考えられるので、条件が当てはまりそうな人は、自分が入っている健保のホームページを見たり、傷病手当金について詳しいサイトを調べたりするのが良いと思います。
私はけっこう大規模の健康保険組合だったから運よく通ったのかもしれません。
大手だと申請する人の数も多そうですが、資金に余裕のない保険組合だと難しい可能性も・・・。
今は辞めてしまいましたが、勤めていた会社には辛い期間をお金の面で支えてもらって、ものすごく感謝をしています。
今はフリーになって何も保障がないので、それ以来、安心を買う保険の大切さを身に染みています。